指先の冷え対策に必見!雪山で使えるおすすめグローブ紹介

皆さんこんちは。
最近は桜の開花が各地で報告され、待ちに待った春本番の気候がやってきましたね。
一方で、2000m以上の高山でも融雪が進み、雪山シーズンも終盤に差し掛かっています。かくして雪山に登りたくて登山を始めた私は寂しい気もする一方、次の季節で見れるであろう別の景観への期待と物悲しい気持ちが混在する今日この頃。

今季、初の雪山デビューとなった私ですが、様々な経験を積むことができました。
実績としては以下です。
2023年11月:燕岳
2023年12月:硫黄岳(2回内1回は撤退)、焼岳
2024年1月:荒島岳大日ヶ岳(撤退)
2024年2月:麦草岳、十石山
2024年3月:硫黄岳、上高地天狗岳

累計歩行距離:113.9km
累計標高差:10,980m

まあまあ登りましたね。
早くも冬用靴下を1足履き潰し、冬靴もイイ感じに馴染んできました。
各山行の詳細はYAMAPに掲載してますので、良ければ参考下さい。

yamap.com

これら山行の中で良かった点、悪かった点、色々ある訳ですが、今回は恐らく誰もが通るであろう指先の冷えの悩みについて書こうと思います。
まず、雪山登山では指先の冷えは深刻な問題となります。
登頂の成否にも関わりますし、万が一、凍傷等で指を失うことになれば山を降りて以降の社会生活にも影響を及ぼします。
私も様々なグローブを試しましたが、まだ完璧な解決策には至っていません。
そこで今回は、80~90点くらいの満足度を得られる最適なグローブの組み合わせをご紹介します。
1点注意点として、私の場合ミラーレス一眼を携帯して山に入ります。
ですので、グローブを嵌めたままカメラ操作が可能な前提でのグローブの組み合わせになりますので、その点ご留意ください。
カメラを操作しない場合の冷え対策としての最適解は恐らく別にあるんじゃないかなと思います。

グローブ一覧

さて、まずは今季試したグローブ一式を紹介します。

Lackner ヒマラヤングラブ M:2set
ISUKA ウェザーテック オーバーグローブ M:2set
AXESQUIN アクシーズクイン ウールインナーグローブ M
MAMMUT Shelter Glove: 10(L相当)
モンベル ウィンドストッパー ライトトレッキンググローブ
スポーツ用品店で購入した防水透湿性のグローブ
・ワークマンの化繊グローブ

手持ちのグローブ軍

ウール最強

まず結論から述べると、ウールが最強です。
ウール製のインナーグローブは暖かさを保持し、冷えを防いでくれます。
特に厳しい自然環境に適応するために進化した動物の毛は、保温性に優れていますね。
ウールは繊維の中に空気層を含み、保温・断熱の機能を発揮することが理由のようです。
化学繊維には無いジンワリした暖かさを提供してくれます。
実際、インナーを上記のモンベルのウィンドストッパー & MAMMUT Shelter Gloveで硫黄岳に登った際の話し、風は通さないものの暖かさが皆無だっため軽い凍傷を負いました。山を降りた後も数日の間、指先がジンジンしました。
撤退した理由も指先の感覚が無くなったからです。あのまま特攻してたらと思うと恐ろしい。。。
それほど指先は大事です。
速乾性を重視してポリエステルを混ぜてるインナーグローブなんかもありますが、ぶっちゃけ雪山で手が濡れる機会はそうありません。
雪山では雨は降らず基本降るのは雪です。標高が高いと乾雪となり払えばすぐに落ちます。気温も氷点下ですので、グローブに付着して雪が溶けて濡れるといったことは今まで無いです。
また寒いので手汗もかきません(人によるかもですが)。
たまに転んだりして手に雪が付いてグローブが湿るとかありますけど、そもそもウールに撥水機能があるので濡れにくいです。
仮に湿ったとしても上記の通り、空気層を有しているためこれが断熱層として働き冷えにくいというのがウールの特長です。
実際使って、体感して、ウールの凄さを実感しました。
こんな感じで、雪山では手が濡れることは少ないため、速乾性よりも保温性を重視しましょう。
なので、ここは遠慮せず素直に100%ウール一択です、本当におススメします。
Lackner ヒマラヤングラブとAXESQUIN アクシーズクイン ウールインナーグローブは100%の生粋ウールです。潔くて素晴らしい。

ちなみに、このウールの保温性は日常生活にも応用できます。
雪山で使ってクタクタになったウールの靴下を家のフローリングで履いたところ、暖かいことといったら!ホントに驚きです。嘘だと思ったら是非試してください。

はい。
という訳で、指先の保温としてウールグローブの着用、これがまず私の基本スタイルです。
ただし、ウール単体では防風機能、防水機能がありませんので、このウールの上にオーバーグローブを組み合わせることで複合機能を発現させることになります。
指先もウェアのレイアリングの考え方と同じ原理ですね。
また私の場合、天候に応じて組み合わせを変えてます。

グローブの使い分け

天候や気温によってグローブの組み合わせを変えることが重要です。私は以下のような使い分けをしてます。

Case1:快晴&無風 or 弱風の場合
登山開始、樹林帯、稜線に出た以降の山頂から下山までAXESQUIN ウールインナーグローブ1つで通します。AXESQUIN ウールインナーグローブはペラッペラの薄手のインナーですが、驚きの保温性を有します。

AXESQUIN アクシーズクイン ウールインナーグローブでカップ麺@十石山

Case2:快晴&やや風強い or 強風の場合
樹林帯まではAXESQUIN ウールインナーグローブ、稜線に出てからはMAMMUT Shelter Gloveで防風対策。
MAMMUT Shelter Gloveは生地にGORE-TEX Windstopperを使っているため防風性能は優秀。強風下でもバッチリ風を遮り、ウールインナーで保温してくれます。
MAMMUT Shelter Gloveには防水機能はありませんが、乾雪が付く程度なら振り払えば落ちますので、濡れて困るといったことは今まで起きてません。

撮ってもらったからブレてるけど、AXESQUIN ウールインナー+MAMMUT Shelter Gloveの組み合わせ@焼岳山頂

ピッケル調整中、AXESQUIN ウールインナー+MAMMUT Shelter Gloveの組み合わせ@麦草岳山頂

Case3:降雪を伴う悪天候+強風
このような日は登山には出かけませんが、行ってみないと天気はわからないというのが雪山。
晴れの予報なのに実際は天気悪かった、なんてこともあります。
この場合は、AXESQUIN ウールインナーグローブ+Lackner ヒマラヤングラブ(保温)+ISUKA ウェザーテック オーバーグローブ(防風/防水/透湿)という組み合わせで挑みます。
ちなみに、ISUKA ウェザーテック オーバーグローブは防水シールが張られた完全防水仕様ではありませんが、心配要りません。
雪山で雨は降らないので少しの防水機能があれば十分です。どちらかというと透湿機能がメインですね。でないと腕から発する水蒸気でグローブ内が濡れてしまいます。
ラッセルする際は防水/透湿機能を持たせるために、AXESQUIN ウールインナーグローブの上に着用することもあります。

AXESQUIN ウールインナー+Lackner ヒマラヤングラブ+ISUKA ウェザーテックの完全防備

カメラの操作性

私の場合、ミラーレス一眼を携帯して山に入ります。
グローブを嵌めたままカメラ操作が可能なグローブ、またその組み合わせで最適解を選定しています。
なので基本的に指が動かせることが重要ですので、必然的に5本指仕様のグローブとなります。
MAMMUT Shelter Gloveは指の出し入れが可能なオーバーミトンです。
写真を撮る時だけ指を出して、それ以外はミトンを被るといった使い方ができるため、撮影にはもってこいです。
またISUKA ウェザーテック オーバーグローブはナイロン生地のペラッペラなグローブなので、このペラペラ感もカメラを操作する上で重宝します。
撮影以外にも、このペラペラ仕様は休憩する際にザックを下ろして中から物を取る、ウェアのジップを上げ下げするといった細かい動作性にも優れてます。
グローブを嵌めたままで細かい作業ができるというのは、個人的にはかなりのadvantageがあると実感します。
登山用品店に行きますと、保温力に特化した革製の分厚いゴアゴアしたグローブとかもありますけど、あれでは細かい作業は無理だと思います。
雪山でいちいちグローブを外したり付けたりの動作は非常に億劫でストレスフルです。

AXESQUIN ウールインナー+MAMMUT Shelter Glove。実際のところ、この組み合わせが最も使用頻度が高い

寒かったらミトンを被せればOK。シャッターボタンを押すために人差し指だけ出すことも可能。

サイズ選定

インナーグローブのサイズに対し、オーバーグローブは若干大きめのものを選んでください。
MAMMUT Shelter Gloveは単体で使われることを前提に作られてますので、オーバーグローブとして使う際は大きめのサイズを選ぶ必要があります。
私は素手のサイズがM相当ですので、この場合MAMMUT Shelter GloveはEU10(Lサイズ)がジャストでした。
一方、ISUKA ウェザーテック オーバーグローブはレイヤリングして使うこと前提で作られてますので、インナーグローブがMならオーバーグローブもMでちょうどいいです。
この辺のサイズ感は個人差もありますので、実際の店頭で試着し確認してください。
よくわからなかったら、少し大きめかな?くらいのサイズを選びましょう。ウールは濡れると縮む性質があります。試着の時点でちょっとキツイかな?のサイズ感だったら1サイズ大きめを選んで下さい。実際雪山で使う際、キツイと血流が悪くなり手指の冷えに繋がります。
ちなみに、私はカメラの操作性を考えて敢えてジャスト or 気持ちキツめを選ぶようにしました。

必ず予備グローブの携帯を!

ここまで読まれた方で、Lackner ヒマラヤングラブとISUKA ウェザーテック オーバーグローブがなんで2setあるのか?と思った方もいるかと思います。
これは予備のグローブを一式常に携帯している為です。
雪山に行くとグローブを落としてそのまま強風に飛ばされ。。。なんて人を3回くらい目撃しました。
氷点下以下の気温でかつ、強風が吹きつける雪山において、指先の防寒装備を喪失することの恐ろしさは想像に難くありません。
もしロストした際の保険は必須です。ロストしたら即刻下山するしか選択肢は無くなります(無事下山できれば運が良い)。

恐らくグローブだけで4万円近く投資してますね。
でも私の指先は4万円以上の価値があるので、ヨシとしましょう。

ここで紹介した情報が皆さんの冬山登山に役立つことを願っています。

それではご安全に!!

 

 

 

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