とうとうハードシェルパンツ購入に至る MAMMUT EIGER EXTREME Nordwand Pro HS Pants

MAMMUT EIGER EXTREME Nordwand Pro HS Pants

皆さんこんにちは。
冬山の話をするには、まだ雪が少ない気もするし、でも雪がある場所にはちゃんと積もっている。そんな季節になってきました。高い山に登るたびに、風の冷たさや景色の美しさに1年で最も厳しい季節を感じる今日この頃です。

2026年も始まってから早くも1月後半に突入ですが、この冬もせっせと山へ足を運んでます!
赤岳、乗鞍(撤退)、恵那山の霧氷、中央アルプスの稜線(今年はこれから)...歩いたルートと景色は違えど、どれも共通して感じるのが「冬の稜線の風は想像以上に厳しい」ということ。晴れているのに突風が吹き荒れ、晴れているハズなのに冷気が身体を突き抜けていく。そんな体験はもう何度味わったかわかりません。

雪山登山という遊びは、景色の美しさと同じくらい「寒さと向き合うこと」がセットになっています。指先の冷えがつらい、足先が冷えてうまく歩けない…そんな話題は誰しも一度は考えるテーマでしょう。
手足の指先が寒い問題の対策は過去の記事で書いてますので、もしご興味あればご参考下さい。

ただ装備を一つ一つ見返すと、意外と下半身の装備については後回しにしがちだったりしていました。実際、私自身も上はハードシェルで完璧なのに、下は騙し騙しソフトシェルパンツで済ませてきた時期がずいぶん長くありました。

3年前、雪山1年目に焼岳南峰へ上った日。上はMAMMUTのハードシェル。下はミレーのソフトシェルパンツ(メルカリでゲット)。ずっとこんな感じで3シーズンの厳冬期を凌ぐ。

樹林帯や穏やかな日ならそれで問題ないです。でも高峰の稜線でまとまった風に当たると、どうも安心できない。冬の稜線における「風」は夏のそれとは比較にならない程の別物。

そんな中、3シーズンずっと使い続けてきたソフトシェルパンツも若干のボロ感。ついでに「そろそろ本気で下半身も装備を見直そうなか」という気持ちが徐々に大きくなり、ついにハードシェルパンツを導入するに至りました。
今回の記事では、その体験となぜハードシェルパンツが雪山で本気で役に立つのかを、自分の山行を振り返りながら書いていきたいと思います。

まずソフトシェルパンツですが、それはそれで優秀です。動きやすく、蒸れにくく、適度な耐風性、歩いていて気持ちがいい。これまでの山行の多くはその快適さにずいぶん助けられてきました。

ただ問題はやはり場所と条件です。
2500mを超える高峰の稜線、しかも厳冬期。
常念岳東尾根、赤岳、乗鞍岳中央アルプスの将棋頭山から木曽駒ヶ岳へ抜けるようなルート。そうした場所に立つたび、どこか心の片隅で「今日の装備はこれで本当に正解か?」という小さな違和感がありました。

冬の稜線の風はだいたい想像の二段階上をいきます。
晴れていても普通に暴風。夏山の感覚で言えばほぼ台風です。ソフトシェルパンツは決して悪くありませんが、風速20m/sを超えたあたりから、どうしても生地越しに冷気の存在を感じるようになります。ドライレイヤーとメリノウールのタイツを重ねた上でもなお!です。
その「スースーする感じ」が気になり始めると、楽しいはずの稜線歩きが、いつの間にか我慢と不安の時間に変わってしまいます。

そんなタイミングで、ちょうどセールに出会いました。
購入したのは MAMMUT EIGER EXTREME Nordwand Pro HS Pants。
実はジャケットは3年前にすでに購入していて、「そのうちパンツも」と思いながら、気づけば時間だけが過ぎていました。ようやく上下が揃った形です。

定価で上下を揃えれば20万円を超えるハードシェル。
正直簡単に手が出る金額ではありませんよね。。。
ですが今回はどちらもセール品。お気に入りのMAMMUTを、実質半額で揃えられたと思えば、かなり満足度の高い買い物でした。ハードシェルは欲しいと思った瞬間に買うより、出会ったときに決断するくらいがちょうどいいのかもしれません。

さて本題のNordwand Pro HSですが、いわゆる本気のアルパイン向けモデルです。
軽さやしなやかさよりもまず耐候性。手に取った瞬間から、「これは守るための道具だな」という印象があります。

MAMMUTの最高峰モデル EIGER EXTREME。鼻血が出るほどカッコいい!

なお、このモデルはすでに販売終了しており、現在は後継として Nordwand Advanced HS がラインナップされています。

先日ですが、さっそく厳冬期の乗鞍岳で使ってみました。
吹きっ晒しの稜線近くに出ると予報通りの25m/sを体感できる爆風。
ウェアをテストする日としてはちょうど良かったです(でも爆風過ぎて撤退しました)。
そして結論から言うと、耐風性は文句なし。
これまでソフトシェルで感じていたあの微妙な冷えは完全になくなりました。風が当たっているはずなのに当たっている感じがしない。これだけで稜線に立つときの気持ちがずいぶん変わります。

もちろん風を通さない分、ハイクアップでは暑くなります。ただ大半のハードシェルパンツはサイドジッパーを大きく開けられるので、歩きながらの温度調整は思った以上に楽でした。

ガバっと開けられるサイドジッパー

汗を搔くシーンでも湿りを感じることはなく、北横岳で腿ラッセルを試しても、浸水や冷えは皆無。ここはハードシェルならではの安心感です。むしろソフトシェルパンツの弱点は親水性というのをハードシェルパンツを試して知れたことも収穫です。ソフトシェルパンツは汗や溶けた雪でびちゃびちゃになりがちですが、ハードシェルはドライですね。

シルエットはややタイト寄りだったので、1周り大きいサイズにしました。
ハードシェルは伸縮性が無いので、足上げの突っ張り感を減らす意味もあります。
軽快さという点ではソフトシェルに軍配が上がりますが守られている感覚はまったく別物です。

そして、ここで素材の話も少し。

ハードシェルといえばゴアテックス、というのはもはや常識ですが山を歩いていると、「防水透湿」だけでは語れない部分があります。
特に雪の少ない時期や、積雪がまだ安定しきらない厳冬期初期。稜線に出るまでのアプローチや風を避けるルートを選んだ結果、気づけばハイマツやブッシュに突っ込んでいる、なんてことは珍しくありません。

しかもラッセルしながら藪漕ぎ、という少し特殊な状況も普通にあります。日本特有でしょうか。
雪を押し分け、枝をかき分け、気づかないうちにウェアを擦っている。
そんな場面で怖いのが鋭利な木の枝による引っ掛かりです。

一般的なゴアテックス素材は防水性や軽さに優れる一方で、こうした引っ掛かりには正直あまり強くありません。
一度「ピリッ」とやってしまえば、そこで終了。
高価なウェアなだけに精神的ダメージもなかなかのものです。

その点ゴアテックスプロはやはり安心感が違います。
生地自体にしっかりしたハリと強度があり、多少の藪や枝に当たっても簡単には負けません。
「絶対に破れない」わけではありませんが、少なくとも過度に気を遣いながら歩く必要がない。これは想像以上に大きなメリットです。

心強いゴアテックスプロ

Nordwand Pro HSにゴアテックスプロが使われているのも、個人的にはかなり重要なポイントでした。藪を避けて綺麗なルートだけを歩ける山ばかりではないし、状況次第で突っ込まざるを得ない場面もある。
そんなときに「高いから大事に扱うウェア」ではなく、ちゃんと現場で使える道具でないと意味がない。この部分は心強いところです。

とはいえこのハードシェルは万人向けの装備では無いかなとも感じています。
樹林帯中心の低山や、穏やかな日を選ぶ多い人にとってはレインウェアでも十分な場合もあり、オーバースペックに感じるもこともあるかと思います。一着でオールマイティに使いたい人や、ハイクアップ時の涼しさを最優先したい人にも必ずしも向いているとは言えません。

一方で厳冬期、かつ2500mを超える稜線を歩く場合、強風下での安心感を何より重視したい人、ラッセルを伴う山行が多い人にとってはこれ以上ない選択肢です。長い時間、風に晒されることやラッセルをすることを前提に歩くならこの安心感は確実に効いてきます。

今後の使い分けもはっきりしてます。

  • 強風やラッセルが予想される日、長時間稜線を歩く山行:ハードシェルパンツ。
  • 条件が穏やかな日や低山の山行:ソフトシェルパンツ。

全部を一つで済ませるより、選択肢が増えたことで山行そのものが多少楽になる気がします。
これでようやく下半身もちゃんと冬山仕様。
その一歩を踏み出せたのはなかなか良いタイミングだったと思っています。

ここで紹介した情報が皆さんの冬山登山に役立つことを願っています。
それではご安全に!!

 

ブログのランキングに参加してます。

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村